ねんきん定期便から読み解く公的年金額と、足りない分の自分年金運用の必要性

先日、純金(ゴールド)を売って、国民年金+国民年金基金を支払ったという
話を書きましたが、なぜ国民年金を支払っているかというと、4月に送付され
てきたねんきん定期便を見たからです。

自分は、会社時代の厚生年金16年間と、学生や、失業、現在の自営業時代の
国民年金4年間を合わせると、20年間、公的年金を支払い続けてきました。
公的年金は、現在の制度ですと、最低でも25年間入っていないと、もらえま
せん。つまり、先月支払った分を含めあと5年間は支払わないと、今まで支払
った分の公的年金保険料は、無駄になってしまうからです。

自分は、サラリーマンだった16年間、厚生年金は、給与天引きだったので、
最低でも、公的年金に25年間加入しないと、サラリーマン時代に納めていた
年金が無駄になってしまうため、国民年金だけは、これからも払い続ける予定
です。

ねんきん定期便によると、今までに支払った、厚生年金+国民年金額は、ほぼ
600万円。今までの加入実績に応じて、65歳からもらえる予定の老齢年金
額は、年817800円、月額68150円です。これには、これから20年
間支払う国民年金を除いていますので、この老齢年金額は、これから増えてい
きます。では、60歳まで、支払ったらどれくらいもらえるのか?

実は、今年のねんきん定期便に今年から、ねんきんネットサービスのアクセス
キーというのが記載されており、自分の年金加入状況がインターネットで確認
出来るようになったのです。

早速、日本年金機構のHPにねんきんネットというサービスができていて、こ
れで、自分の過去の年金加入記録が見れます。そして、年金簡易額シュミレー
ションというコーナーもあり、ねんきんネットで確認した過去の平均給与月額
等を入れて、これから加入する国民年金年数を入れる事で、60歳までの40
年間加入した際に65歳からもらえる公的年金受給額がだいたいわかります。

この年金額シュミレーションで、計算してみたところ、65歳からもらえるのは、

年額1,190,000円
月額   99,166円

ちなみに65歳から80歳まで15年受給した場合の受給額合計は、

 19,040,000円 となり、支払額を上回る予定です。

これに、国民年金基金A型の

年額  189,700円
月額   15,808円

を加えると、合計すると、だいたい以下の金額になります。

年額1,379,700円
月額  114,945円

ちなみに、国民年金+厚生年金部分を60歳からもらう事もできるのですが、
その場合30%減になるので、月額69416円+60歳〜65歳にもらえる
国民年金基金V型15808円を加えて、

月額   85,224円

です。改めて計算してみると、65歳からで、月額114,945円、60歳
からで月額85,224円というのは、普通のサラリーマンの給料から見ると
かなり低い金額です。

ところで、この国民年金ですが、賦課方式という20歳〜60歳の人が納めた
年金を、65歳以上の人に支払うという世代間の仕送り方式を取っています。
つまり、自分が払った金額が、自分の両親等の年金に充てられるのです。
自分の様に、一部両親の年金で生活させていただいている者には国民年金を支
払う事は、正に助け合いなのです。

また、5年に1回、制度の見直しが行われます。2004年度の改革では、こ
れからの少子高齢化に向け、2017年まで、厚生年金保険料や国民年金保険
料は少しづつ上がり続け、2017年以降は固定化される様です。

また、もらえる年金額は、2004年までは、物価スライド方式という物価が
高くなれば、もらえる年金額も増える方式だったのですが、マクロ経済スライ
ド方式という方式に変更されました。日本は、この20年間、物価が下がる、
デフレだったので、物価スライド方式だと、年金額も引き下げなければ、なり
ません。ところが、国は2000年〜2002年の3年間で1.7%物価が下
がりましたが、年金受給額は引き下げられず、維持されました。

そこで、2004年に物価スライド方式ではなく、マクロ経済スライド方式が
導入されます。どういう方式かというと、

「今後、消費者物価指数が上昇しても、その累計が1.7%を超えるまでは、
この「1.7%」と相殺していきます。つまり、その間物価が上昇しても、
年金額は上がりません。物価上昇が累計で1.7%に達したら、2004年度
の年金改正で決まった抑制措置が発動されます。現役世代の人口減少を表す、
「被保険者数の減少」と、年金受給者の増加を示す「平均寿命の伸び」を勘案
して、物価が上昇してもそこから一定率(0.9%)を引いて年金額を改定し
ていく方法です。

例えば、1年間で消費者物価指数が1.5%上昇したとしましょう。マクロ経
済スライド方式では、年金額の上昇は、1.5%−0.9%=0.6%にとど
められます。要するにマクロ経済スライドが適用されると、年金の実質価値が
目減りしてしまいます。しかし、物価上昇率が0.5%だったら、0.5%−
0.9%=−0.4%とはならず、マイナス分は引き下げを猶予し、年金額は
同額で維持され、物価が下がるデフレになっても、−0.3−0.9=−1.2%
とはせず、−0.3%分だけ減額されます。

しかし、これからは、物価が上昇していくインフレになる可能性を見ていく必
要があります。毎年物価が1%づつ上昇すると、物価は10年で10%になり
ますが、年金受給額は、(1%−0.9%)×10年=1%しか増えません。
つまり、これからの公的年金は、インフレ(物価上昇)には弱い存在になって
しまったということになります。ただし、支給額が減る事で、年金制度自身に
とっては、ありがたい制度になります。

また年金制度は、5年に一度、大きな見直しを行うので、今後どのように年金
制度が変わっていくか不透明です。加えて、少子高齢化をにらみ、今後は消費
税の引き上げや健康保険、年金保険料といった社会保険料負担が増える方向に
いくことは、間違いありません。

公的年金は、サラリーマン等会社で働く人は、厚生年金として、給与から天引
きされてしまいますから、払わないわけにはいきません。問題は、自営業者等
の国民年金にのみ加入している方です。国民年金を収めるのは国民の義務とし
ながらも、払えるのに払わない人には、差し押さえ等が行われるらしいですが、
経済的な問題で、払えない人には、特に払わなくてもいい事になっています。

現在公的年金未納者は、厚生年金、共済年金等も含め、5%程度です。95%
の人が支払っているのだから、年金が破たんはしないと思われます。しかし、
こういう現実を見て、国民年金に入らない若者が増えていかないだろうか?
しかし、強制加入を義務づけているにも関わらず、未納でも罰則なしなのは、
未納だと国が将来支払う年金が少なくなるという国側にメリットがあるからな
のです。

また、国民年金にもメリットがあります。国民年金は、長生きに備える保険
ですが、終身(死ぬまで)もらえるので、長生きすれば、するほど得になりま
す。また、国民年金に加入していると、病気や事故で1級・2級の障害を負っ
た場合には、障害基礎年金が支給されます。また、国民年金加入者が亡くなっ
た際に子供が高校を卒業するまで遺族基礎年金がもらえます。

また、国民年金に加入していないと、入れない税制上有利なしくみがあります。
国民年金基金と、確定拠出年金です。両方とも、主に国民年金しかない自営業
者向けの年金を増やす制度ですが、国民年金基金が、もらえる金額があらかじ
め分かっている年金であるのに対し、確定拠出年金は、運用方法を自分で選択
して(たとえば、株式や債券のインデックス・ファンドを使って)、自分の責
任で、自分の年金を運用するタイプの年金です。この2つの制度、全額、社会
保険料控除の対象となり、確定申告をする自営業者等には、税金が減る等のメ
リットがあります。ただし、60歳になるまで一切解約できませんが…。

また、2011年現在、国民年金は、国が50%を税金で負担しており、足り
ない分を消費税等から負担しています。つまり、国民年金に加入していない人
も、間接的に加入している人の年金を負担している事になるのです。なので、
国民年金に加入していないと、税金だけ取られて、年金はもらえないという事
になってしまいますので、若い人も、最低限の保障として、国民年金と国民健
康保険にだけは入っていた方がよいと思います。

自分は、国民年金基金に加入してしまいましたが、確定拠出年金という方法で
インフレに強い年金を作っておいた方がよかったかなと思いましたが、すでに
インデックス・ファンドによる長期積み立て投資を行っているので、公的年金
の運用は、国に任せ、インデックス・ファンド積立てによる自分年金づくりは、
自分で、リスクを取って、ポートフォリオ(アセットアロケーション)組んで
足りない分の年金は、これで、賄おうと思っています。

ちなみに、国がやっている公的年金も、インデックス・ファンドで運用されて
いることは、ご存じでしょうか。そのアセットアロケーションは以下の通り。
実は国も分散投資&定期的なリバランス(資産配分割合を維持して)で年金資
金を運用しているのです。



ただ、日本国債68%と、日本株式12%で、短期資産5%も含めると、85%も、
日本円で運用されています。外国債券と、外国株式が合わせて15%ですから、
日本資産に偏った保守的なアセットアロケーション(資産配分)になります。
この資産配分は、国が決めるので、自分では、変えられませんから、国にお任
せするしかありません。何故、こんな保守的な資産配分になっているかと言うと、
現在の65歳以上の方の年金のため、日本円に現金化できる安定的な運用が必要
だからです。

自分の年金の内、半分は、日本円に偏ったアセットロケーション(資産配分)
なので、残り半分のインデックス・ファンドによる自分年金づくりでは、今現金化
するわけではありませんので、リスクをとって、大きなリターンが得られるよう、
海外資産を増やしています。6月9日現在のアセットアロケーションは以下の通り。
(金(ゴールド)は先日ほとんど売却してしまったので、ほぼ0%)
特に円高の今は、海外資産が安く買え、将来のインフレ対策にもなりますので。



外国資産が、外国株式(先進国+新興国)が43%、海外債券(先進国)11%、
海外不動産11%も含め、65%海外資産運用です。つまり、国の年金運用と逆の
資産配分で、運用しているのです。これで、足りない分の年金を補てんします。
どれだけ厳しくなるかわからない国の年金に本当は、あまり、頼りたくはないですが、
公的年金はあくまで最低保証にして、足りない分は、自分でプライベート年金を充実
させて資産運用していくつもりです。この方が、自由に資産配分を定期的(1年に
1回でいいです)に見直し、リバランスでき、必要な時には即現金化できるからです。

投資金を全額、社会保険料控除になる確定拠出年金を使わない理由は、利用できる
ファンド数が少ない事(STAMシリーズがマネックス証券で確定拠出年金で使える
様になったら考えてみようと思います)と、20年間、現金化できないより、いつで
も現金化できるインデックス・ファンドの積み立てで、自分の自由に運用したいと思
ったからです。

公的年金の運用で、結構、日本円のバイアスが高いのに、自分年金に国内債券、
国内株式を組み入れているのは、公的年金が65歳(60歳からも可能)まで
換金できない事、いつでも換金できる自分年金にも円資産もあった方が良いのと、
国内債券の様な値動きの少ない資産も入れておかないと、自分年金のポートフォリ
オ全体の値動きが大きくなってしまうので組み入れています。

みなさんも、年金定期便が自分の誕生月にきたら、自分の公的年金がどれくら
いもらえるか試算してみてはいかがでしょうか。あと、国の年金制度も、国に
お任せにしていると、どんどん、若い人に不利な制度になってしまいますので、
今民主党がやろうとしている年金制度改革も含め、政治にも興味を持って、
なるべく自分たちより若い世代の国会議員を選ぶなどして、今の内から、公的
年金制度に興味を持っておいた方がいいと思います。

また、国に頼るばかりではなく、自分で自分年金を別建てで作っておかないと
自分が高齢者になった時に、もらえる金額の年金がもらえないという事にもな
りかねませんので、最初は、国と同じインデックス・ファンドの組み合わせ+
積立てで、国よりリスクを多め(海外資産や不動産、金等の割合を増やす)に
取っていけば、公的年金+自分年金の2本立てで運用していけば、将来の年金
で不安になる事はなくなると思いますよ。

公的年金問題と、自分のアセットアロケーションは、このブログでも、適宜、
ウォッチしていきたいと思います。

今回の記事は、以下の本を参考にしました。







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